M6Jとの出会い
2015-09-16
かなり無理して憧れのライカM6の中古を購入したのは独身時代の90年、まだ平行新品が27万もした頃、銀座の清水商会で22万円、タイプは現在ビッグネームと呼ばれ正面に「M6」とだけ記してありました。ボディの色は眺めて美しいものの傷の目立ちやすい白クロームか、精悍で締まって見える黒クロームか迷った末、黒クロームを選択。レンズはズミクロン50mmを新品購入し、その感触と写りにほれぼれしながらどこにでも持ち歩きまわりました。
その後親交を深めることになる友人と出会うきっかけとなったライカですが、その彼の悪魔の囁きにより、、徐々に深みにはまっていくことになるとは思いも寄りませんでした。それまで最高だと思っていたM6より彼が当時所有していた黒塗りのM4の方が精密度も質感も圧倒的に高くて、特にそのシャッターフィールは絶品で、ついでに黒塗りライカが非常にお高い事も初めて知ったのでした。
彼の所有するライカは全てすばらしいものばかりで、ライカビット付きの黒塗りM2などはオーラさえありました。そんな彼の機材の中でなぜか私が憧れたのが40周年記念モデルのM6Jで、私のM6とは似ても似つかないすばらしい仕上げにほれぼれしたものです。
レンズは、50mmズミクロンばかり2回買い換え、その後35mmへ移行。現在はズミルクス35mm1.4ASPH(後期型)シルバーに落ち着きました。が、月日が流れるうち我がM6もだんだんくたびれていき、とうとう錆びによる発疹もでてしまい、21世紀の始まりとともにふと手放すことに。。。それでもさすがライカ、思ったより高く値段が付き、そのお金で昔使っていたライツミノルタCLを再び購入。このカメラは思い入れがかなり強く気に入っているものの、大口径レンズ開放域での実用にはやはり、ピント精度に少々無理を感じます。
そんなある日、中野フジヤカメラで、ふと憧れのM6Jが置いてあるのを発見。当時セットだったエルマー50mmの付いてない傷なし単品および木箱のみで、それでも値札はウン十万以上。。その時はまだ全く冷静で、お、珍しい!でも高いな~位にしか思わなかったものの、時間がたつにつれ、これを逃したらおそらく一生手にすることはないだろうとの思いが高まっていくことに。ライカは、EOSシステムをメインツールとする私にとって、もちろん写りも重要でEOSに劣らず幻想的な世界を描き出してくれるツールであると同時に、子供の頃に強く感じてた撮る過程・感触そのものを楽しむための奢侈品でもあって、それを満たすためのライカを一台だけ持つなら、ひょっとしてこんな選択もありじゃないか。。。などとうだうだ一晩考えた末ふたたびふらっと店に。まだあったので即決。
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この機種は、1994年にM型ライカ40周年を記念して1640台限定生産されたモデルで、当時レモン社で60数万で予約していた記憶がありますが、私には予約する勇気なんてとてもありませんでした。。。
変更は多岐にわたり、まずは外観がM3風に。巻き上げレバーは現行型のやや頼りない中折れ型に対して、一体型で剛性感があります。巻き戻しレバーはM4以降のタイプなので、デザインが中途半端との声もききますが、私はM3との判別が容易いので気に入ってます。真鍮のトップカバーを初め、これらの外装パーツは全て新規に起こしたものです。メッキは現行のと同じらしいのですが、なぜかきめ細かく感じるから不思議です(^^;。
ファインダーは裸眼で35mmおよび50mmを常用するのに最適な0.85倍で、その後ノーマル機にも採用されてますが、M6Jでは75mm枠が省かれているため、50mmがすっきり使いやすいです。さらにレンズも新規開発のエルマーで、その後一般発売されたエルマーとは違うデザインです。(って私はもってませんが。。)
メインレンズは、ズミルックス35mm1.4ASPHを長いこと使っていますが、このレンズは本当にすばらしく、開放では幻想的に被写体を浮かび上がらせてくれるので、どれかレンズを一本だけ残すなら、EOS用EF50mm1.0Lと迷うほどです。
超大口径が大好きな私は、実は長いことノクチルクス50mm1.0に憧れているものの、お値段と実用性を考えるとなかなか手を出せません。そこに最近久しぶりに、魅力的な大口径レンズが発表されました。これはコニカのMヘキサノン50mm1.2で、ヘキサーRFリミテッドとセットで2001年記念限定品として定価42万円也で2001台限定発売されたものです。基本的にセットでしか買えないのですが、これを友人と仲良く共同購入することで、手に入れることが出来ました。
その描写は、特徴あるボケの中に人物がくっきり浮きあがるものです。現代レンズらしく、EOS用EF50mm1.0Lやノクチルクスのような周辺の落ち込みがないのがあまり面白くないのですが、大口径故のピント精度は0.85倍のファインダーのおかげでさほど問題なさそうなので、お気に入りのズミルックス35mmASPHとどちらを持ち出すか、悩みどころになってます。
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